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あっせん事例集

以下、都道府県の労働局のサイトからの転載です

1 解雇されたことについて、撤回もしくは補償金を求めたあっせん事例

事案の概要
申請人は、30日以上前に予告を受けた後、解雇された。しかし、申請人は、当該解雇は不当解雇であることを主張して、解雇の撤回、それができないのであれば補償金を支払うことを求めてあっせん申請を行った。

 会社側は、申請人は協調性がなく職場環境を悪化させる大きな要因となっており、客からの評判も悪かったこと等から解雇したこと、したがって、当該解雇は正当であると主張した。 あっせん委員が、紛争当事者双方に個別面談し事情を聞いた上で、会社側には解雇にはそれ相応の理由、手続きが必要であるが、今回の解雇はそれらを満たしているか再考を促した。同時に、申請人に対しても省みて思い当たることが無いかよく考えてみるよう説得を行った。

 そうしたところ、双方が歩み寄り、被申請人が申請人に対し解決金を支払うことで双方合意し解決した。

2 仕事も原因の一部と考える精神疾患のために自己退職したことについて、補償金を求めた

事案の概要
申請人は部門責任者をしていたが、半年ほど、仕事が多く複雑な顧客対応も重なるということが続いた状況において精神的な病気になり、それまでどおり仕事を続けることができなくなった。会社に相談したところ仕事軽減してくれたが上司の対応も冷たくなり、仕事を続ける事ができなくなって自ら退職届を提出して退職した。しかし、精神的な病気になったのは仕事も原因の一部であるし、会社の対応が冷たかったという思いから、会社に病気治療費の補償を求めてあっせんを申請した。

 あっせん委員が、個別面談して申請人に当時の状況を聞き取り、併せて、会社側にも当時の状況を確認してもらったところ、相互の話がほぼ一致し、その結果、会社側も仕事面で一定程度過重となっていたことを認めて、治療費の一部を補償することで双方合意し解決した。

3 派遣先の契約破棄で就労できなくなった損失を派遣元が補償するよう求めた
あっせん事例

事案の概要
申請人は派遣労働者として働いていたが、派遣先が突然、派遣契約を解除したことから仕事が無くなり、派遣元は次の仕事を探すと約束したものの条件に合う仕事の紹介の無いまま雇用契約期間も切れてしまった。そこで、申請人は仕事が無くなった日から雇用契約期間が終了するまでの間(約3ヶ月)の賃金の補償を求めてあっせんを申請した。

 あっせん委員が、個別面談し、特に被申請人に、現実に派遣就労を提供する責務を負うものではないものの、本件労働契約の期間における派遣労働者生活を保障する趣旨で申請人に新たに就職先を紹介するよう努める義務があること、労働基準法上の解雇予告手当てが賃金1ヶ月相当額であることを考慮して、申請人の平均賃金の2ヶ月分相当額をもって双方に歩み寄りを求めたところ、ほぼ平均賃金の2ヶ月分相当額を支払う事で双方合意し解決した。

4 店舗で働く労働者が顧客からのセクハラ行為をやめさせるよう会社に訴えたところ、会社との関係もギクシャクし、結局、退職せざるを得なくなったことに対する補償するよう求めたあっせん事例

事案の概要
申請人は店舗の販売員として働いていたが、特定のお得意様からセクハラ行為をたびたびうけたことから、会社側に改善を求めた。しかし、そのことで逆に店舗管理者との関係がおかしくなり、労働条件も切り下げられるという事態となったことから申請人は退職することとなった。

 申請人は顧客のセクハラ行為について会社に訴えたのに、それを是正させる適切な措置をとらなかったばかりか、そのことが発端で労働条件を切りさげ、退職することとなったことについて補償を求めてあっせんを申請した。

 あっせん委員が、個別面談し申請人より申請人がセクハラ行為と感じた事例を聞き取るとともに、被申請人にその内容を伝えてセクハラ問題の考え方を説明するとともに、職場環境を良好に保つ義務が被申請人側にあることから、顧客からのセクハラでも被申請人において対処が必要であったと説得した。

 最終的に双方が歩み寄って賃金の約2ヶ月相当額を支払う事で双方合意し解決した。