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紛争調整委員会によるあっせんにより解決した事例

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  • 紛争調整委員会によるあっせんにより解決した事例
  • (1)整理解雇に対して、金銭的な補償を求めた事案(労働者からの申請)
    申請人は、勤務していた会社から業績悪化に伴う人員整理を理由に解雇の通知を受けた。この解雇により被った経済的な損失及び精神的な苦痛に対して金銭的な補償を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、会社が申請人に対して、就業規則に規定された退職金に和解金を加算して支払うことで双方が合意し解決した。

    (2)普通解雇の理由に納得がいかず、解雇の撤回又は金銭的な補償を求めた事案(労働者からの申請)
    申請人は、勤務態度が悪いという理由で突然解雇されたが、解雇理由に納得がいかないので、その撤回または経済的な損失及び精神的な苦痛に対して金銭的な補償を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、解雇撤回は困難なものの和解金を支払うことで双方が合意し解決した。

    (3)試用期間終了後、能力の不足を理由とした退職勧奨の撤回を求めた事案(労働者からの申請)
    申請人は3ヶ月の試用期間を定めて雇用されたが、試用期間が経過した時点で事業主から能力が期待どおりでなかったことを理由に退職するよう勧奨を受けたため、本採用または金銭的な補償を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、本採用して雇用を継続することは困難との事業主の意向は変わらなかったが、解雇の場合でも試用期間中は本採用後よりやや広い解雇権が認められていることを踏まえ、申請人が退職勧奨を受入れ、事業主が慰労金及び再就職のための転居費用相当額を支払うことで双方が合意し解決した。

    (4)休職後、職場復帰したところ退職勧奨を受けたがその撤回と職場復帰を求めた事案(労働者からの申請)
    申請人は私病により約2ヶ月間の休職後、元の職場に復帰したが、上司より「勤務姿勢が休職前のとおりとは見られない。やる気がないなら退職してよい」と執拗な退職勧奨を受けるようになった。申請人には退職の意思はなく職場復帰を希望する旨本社にも申請したが十分な調整を得られなかったことから、復職を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、申請人自身も職場における人間関係の回復は望めないと考え、職場復帰を断念し、事業主は上司の言動に配慮を欠くところがあったことを認め、会社都合退職の計算による退職金と解決金を支払うことで双方が合意し解決した。

    (5)申請者が自己都合退職を申し出たところ、交通事故による社有車の修理代金を請求され、その撤回を求めた事案(労働者からの申請)
    申請人が自己都合による退職を申出たところ、既に不問に付されたと思っていた、以前に申請者自身が起こした交通事故による社有車の修理代金を事業主から請求され、その撤回または減額を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、申請人が事業主に及ぼしていた損害はその1件だけではなかったことが明らかとなったため、申請人はその1件の賠償に応じることとし、その他の賠償については事業主が不問にすることで双方が合意し解決した。

    (6)労働条件(週の勤務時間)の引き下げの撤回を求めた事案(労働者からの申請)
    申請人が、時給を引き上げる代わりに週の勤務時間を40時間から30時間未満に減らして社会保険の適用を外すという契約変更の申出に合意しなかったところ、時間給が据え置かれたまま、勤務時間だけ減らされ減収となった。元の労働条件に戻すか、週の勤務時間を30時間以上にして減額とならないよう求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、週の勤務時間を35時間とし、時間給及び社会保険の適用は従来どおりとすることで双方が合意し解決した。

    (7)配置転換の撤回を求めた事案(労働者からの申請)
    身体障害を有する申請人は、自身の能力に適職と思われる職務に就いていたが、事業主から同僚及び取引先との折合いが悪く、業務に支障を生じていることを理由に配置転換の命令を受けため、元の職場に復帰することを求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、事業主が申請人の身体障害に配慮した最適な職務に配置転換し、申請人は配置転換に応じて誠実に勤務に服することとして双方が合意し解決した。

    (8)数年前に廃止した退職金規程に基づく退職金を請求された事案(事業主からの申請)
    申請人から、退職する労働者が、数年前に廃止した退職金規程に基づく退職金の支払を求めているが、改正前に退職した労働者との不均衡があるとしても、経営も苦しいことから改正前の規定に基づく退職金は支払えず話合いが膠着しているので、和解を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、会社が解決金を支払うことで双方が合意し解決した。

    (9)懲戒解雇を理由に退職金を不支給とされたが、理由に納得できないためその支払を求めた事案(労働者からの申請)
    申請人は、遠方に住む父親が危篤との知らせを受けて急遽帰郷することとなったが、事前に連絡が取れなかったため、当日の朝事業主に申し出た。事業主はこの休暇を認めたものの、当日には申請人以外の労働者に代え難い業務が予定されていたため、後日、これを理由に懲戒解雇し退職金を不支給とした。申請人はその退職金の支払いを求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、懲戒解雇の場合は退職金を不支給とする規程があったとしても、懲戒には相応の合理的理由が必要であることを考慮し、退職金に相当する額の和解金を支払うことで双方が合意し解決した。

    (10)いじめ・嫌がらせを受け、退職を余儀なくされたことから謝罪と慰謝料の支払を求めた事案(労働者からの申請)
    申請者は正社員として勤務していたが、現場の責任者から継続的にいじめを受け、退職に追い込まれたため、責任者の行為に非があったことを認め謝罪するとともに、精神的な損害に対する慰謝料の支払を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、会社が文書による謝罪を行うとともに、解決金を支払うことで双方が合意し解決した。

    (11)事業主からいじめ・嫌がらせを受け、退職を余儀なくされたことから、謝罪と慰謝料の支払を求めた事案(労働者からの申請)
    申請者は事業主からいじめ・嫌がらせを受けたことが原因で退職を余儀なくされたため、事業主に対して謝罪と精神的な苦痛に対する補償を求めてあっせんを申請したもの。

     あっせんの結果、事業主がいじめ・嫌がらせの事実を認め、和解金を支払うことで双方が合意し解決した。